冗談通信

「No one hears」

3rdアルバム『ぽぷり』ゆいこインタビュー


来源:http://www.axive.jp/index.php/archives/961



3rdアルバム『ぽぷり』ゆいこインタビュー

admin1:22:05
いまや同人音楽シーンの歌姫の中でも、若手実力派No.1!といっても過言ではない、人気急上昇中のゆいこ。音楽的なルーツから現在までの活動、そして最新作『ぽぷり』の話はモチロン、過去に味わった挫折や今後の野望など、超充実のロング・インタビューになりました!(文:冨田明宏)

[0111]――本日は、「ゆいことは?」という部分から、冬の新作のお話、そして今後のお話まで聞いていこうと思います。まず、歌い手を目指そうと思ったきっかけから教えてください。 

ゆいこ  最初から歌手になりたいというのは特になかったんです。 

――同人で活動されている方って、結構そういう人多いですよね。 

ゆいこ  そうなんですよ。気付いたらやってたみたいな(笑)。父が楽器をやる人で、生まれた時から割りと音楽が溢れていた家だったんです。自分もピアノをやっていたので、音楽をやるということは普通のことだったんですよ。だけどクラシックがあんまり好きじゃなくて。 

――ということは、最初はクラシックだったんですね? 

ゆいこ  そう。ピアノは普通にクラシックをやっていたんですけど、あんまり好きになれなくて(笑)。中学までずっと続けていたんですけど、クラシックがなかなか上手くならなくて、そのうちに、その時期に流行っているJ-POPとかの方に興味が向いてしまって、そういう曲をピアノで弾くようになったんですよ。そういう歌の伴奏を弾くことが好きで。中学校で合唱の伴奏をしたりとか、そういうのはよくやっていました。 

――ピアノが弾ける生徒って、みんなの憧れの的ですよね。 

ゆいこ  そうかも知れないですね(笑)。だから、弾きながら歌ったりとか、すごく好きなんです。でも、その時は特に、歌い手を目指そうというのはなくて。 

――歌が特別好きだったというわけでもなく? 

ゆいこ  歌は好きだったんですけど、とにかく歌うだけというか。それを世に出そうとか、そういうことは全く考えてなかったので…。 

――歌うのは好きだけど、自分の中で完結しちゃっていた感じですか? 

ゆいこ  そうですね。 

――では、自分の歌を人に届けようというモチベーションになった、きっかけは? 

ゆいこ  小学校ぐらいからアニメが好きで、歌も好きだったので、アニソンとかをよくカラオケで歌っていたんですけど、その時ちょうど声優さんブームで。声優さんが前面に出て、歌ったりとか。 

――それが小学校の時ですか? 

ゆいこ  小学校とか、中学校とかですね。 

――ということはやっぱり、林原めぐみさんとか? 

ゆいこ  そうですね。一番有名な所だと林原さんとか、椎名へきるさんとか、あの辺の方たちが、テレビにも出てくるようになった時期で。 

――90年代の一番良い時期ですね(笑)。 

[0210]ゆいこ  そうですね(笑)。まさにその時期に、単純なんですけど、声優さんになりたいなと思って。高校を出て、専門は声優さんの専門学校に行ったんですよ。その時のコースが声優ボーカル科といって、歌もやる科だったんですね。なので、ずっと歌も並行はしていました。それから学校を卒業するのですが、声優さんに対しては自分の中で諦めが付いてしまって、一度すべて止めて普通に社会人になったんです。やっぱり、難しい世界だなぁと思って。でも、やっぱり未練があって、自分でホームページを開いていたので、「自分で歌った歌を録ってみました」みたいな形で、サンプルをアップしていたんですよ。それで、3年位前の……ちょうど同人音楽とかが流行りだしたころですかね…… その頃に、サンプルを聴いてくださったとある方から、「うちの作品で歌ってみませんか?」と、突然メールが来て。それから、同人という世界を知ったんです。それで、ちょうどその頃、片霧烈火さんとか、まさにこれから急上昇みたいな時期だったんですよ。 

――3年前だと、烈火さんが『幻想廃人』を出して、その後くらいですかね? 

ゆいこ  そうですね。その後で、烈火さんがゲームの歌とかをたくさん歌う様になった頃で。「こんなすごい歌があるんだ!」と思って、それを知ったのがきっかけかもしれません。そこから興味を持っていったので。 

――そういう時期でしたよね。”しもちゃみん”と呼ばれる人たちが、続々とソロ・アルバムを出していて。


ゆいこ  はい。私が同人で歌い始めた頃というか、やりたいなと思った頃は、もう”しもちゃみん”という単語が生まれていて、ある意味”しもちゃみん”は目標みたいな感じでした。 

――あの人達みたいになりたい、という気持ちはあったんですか? 

ゆいこ  そうですね。いずれ一緒にやりたいなとか、軽い気持ちだったんですけど(笑)。 

――今度の、12月29日にあるmarble sky records主催のイベント『平成19年度パンダ祭り~寒いけどポレポレっとね~』では茶太さんと共演されますよね。今までに、あの3人と交流する機会ってありました? 

ゆいこ  そうですね。茶太さんとは同じ作品に関わっていたり、収録現場でも何度かお会いした事があります。 

――なるほど。烈火さんもそうですけど、声優さんがWebサイトで自分の声をアップしていて、ゲーム系サークルから「歌ってみませんか?」と頼まれたのがきっかけという方って、結構多いですね。 

ゆいこ  そうなんですよね。私も、皆さんと同じ感じですね。 

――声優さんを志していた頃の、憧れの声優さんは?

ゆいこ  やっぱり歌手活動も並行している方が好きで、林原めぐみさんもそうですし、あとは坂本真綾さんとかが大好きで。 

――歌う面でも、お2人からの影響って大きいのではないですか? 

ゆいこ  結構大きいですね。林原さんの歌は、聴いて育ったみたいな感じなので。 

――あと歌手だと、やっぱり奥井雅美さんとか? 

ゆいこ  はいはい! ちょうどその辺りです。 

――自分の活動の中で、目標としているアーティストの作品は? 

ゆいこ  真綾さんはいろんな意味で、衝撃を受けたんです。「マメシバ」とかあの辺の、ポップな感じの曲を聴いたときに、アニメソングで括れないくらい、素晴らしいものが何かあるなと思って。シングル集の『ニコパチ』はすごい作品だと思うんですよ。あのアルバムが大好きですね。 

――確かに。『ハチポチ』と『ニコパチ』の、あの2枚のアルバムに凝縮された情報量と音楽性の幅広さは、本当にすごと思うし、他のアーティストに与えた影響も大きいと思うんです。 

ゆいこ  そうですよね! あの2枚は本当にすごいと思います。 

――では、真綾さんは目標でもあるわけですね? 

[037]ゆいこ  真綾さんは憧れであり、目標ですね。でも、まだまだ私自身は中途半端だと思うんですよ。もちろん、仕事として歌うこともありますけど、自分の作る作品は仕事ではないと思っているんです。やりたいことをただやっているというか、趣味の延長なんですかねぇ。 

――でも、趣味が形になって人に聴いてもらえて、活動のフットワークも軽いというのが、同人音楽活動の魅力の1つでもあると思います。仕事という形で依頼されることも、今はかなり多いんじゃないですか? 

ゆいこ  去年くらいから徐々に増えてきました。 

――最近は商業の歌も歌われてますし、今まさに注目されているんだろうなと思っていて。 

ゆいこ  どうなんでしょうね(笑)? 

――僕は客観的に見る方ですが、ゆいこさん、コツキミヤさん、結月そらさんの3人は、現在とても良い連携で活動してらして、今後の活動をとても期待しているのですが。 

ゆいこ  やっぱりあの3人は仲間みたいな感じなんです。 

――3人でキャンペーンをされてますよね? 

ゆいこ  新しいアルバムを出す時って、ちょっとお祭りみたいな気分になるんです。この間の「ゆこそ」企画は、3人が同じ時期にアルバムを出すって分かって「じゃあ、何か盛り上がることをしよう!」って。実際すごく楽しかったです! ちょっと学祭のノリでした。 

――作品を出す時にそういう展開があると、ユーザー側も盛り上がりますよね。その中からさらに新しい作家/歌い手の方が次々と出てくるという、とても健全な流れがあると思うんです。作り手側も、横のつながりがあって、上の存在ともお互いに良い刺激を与え合うことで、シーンもますます活性化すると思いますし。 

ゆいこ  逆に、今でもどんどん出てくるのでこっちも負けてられませんよ(笑)。 

――ですよね(笑)。 

ゆいこ  同人って誰でもできるものだから、やろうと思えばいつでも始められるじゃないですか。だから、すごくたくさんの人が一気に来るんですよね。 

――”M3”のサークル数も、近年増えましたよね。 

ゆいこ  お客さんも増えていて、「盛り上がっているな」というのはあるんですけど。でもその中でも、自分が作品を作る意味は、「やりたいからやっている」だけなので、義務感ではやりたくない!  という部分は、忘れたくないんです。 

――それは大事ですね。そういうモチベーションで作らないなら、同人でやる必要もないわけで。 

ゆいこ  はい。売れるものとか、流行りそうなものと思って作るのは、商業的な音楽というか、お仕事の部分だと思うんですよね。なので、自分の作っているCDでは、あんまり売れる路線とかは意識しないで、その時やりたい事をただやるようにしています。あとは、基本的にコンポーザーさんと組んで、コンポーザーさんに「どういうことやりたいの?」と聞き出してやることが多いので、あんまり同人音楽っぽいとか、意識しないようにしているんですよ。 

――ゆいこさんの声と、曲とのコンビーネーションが絶妙ですよね。青春時代を思い出すような、懐かしい気持ちにさせられたり。こういう青春を過ごしていたら、幸せだったんだろうなぁ……みたいな事を、思わせてくれて。 

ゆいこ  ありがとうございます(笑)。作詞はほとんど自分でやっているんですけど、ある種妄想の部分もありますが、基本的にはリアルというか。私、普段聴くのはファンタジー系が多いのですが、自分でファンタジー系の歌詞って書けないんですよ。リアルな歌詞が多いんですよね。 

――自分の経験したことなどですか? 

ゆいこ  はい。そういう部分で共感していただける方がいるのは、本当に嬉しいですね。 

――同人音楽の好きな人の琴線に触れる世界観があるんですよ。思春期くらいに感じた思いとか、憧れとか。その時代をまだ引きずっている人たちに、ものすごく訴えるものがあって、聴いていてとても気持ちいいんですよ。 

ゆいこ  なるほど。それは嬉しいですね。自分自身がコンプレックスの塊というか…。 

――ああー、それは僕と一緒ですね(笑)。 

ゆいこ  (笑)。なので、そういう人への応援歌じゃないですけど、そういった内容のものが多いんですよね。音楽を聴いて背中を押されたり、励まされたりということが、私も今までとても多かったので、逆に自分が励ましたり、一緒にいてあげたいとか、思うようになって。「よし、聴くぞ!」という曲じゃなくって、なんとなく聴きたい曲みたいな。日常で普段ながれていても、違和感がないような曲を歌いたいんです。 

――以前に、女の子プロジェクトのestさんとメールでやり取りした時に、「女の子プロジェクトの曲を聴くと、こんな青春送れたら最高だなって、いつも思うんですよ」と言ったら「いや、違うんだよ。実際にこんな青春送っていたら、こんな曲生まれないから」みたいなことを言われて(笑)、ちょっと感動したことがあるんですよ。 

ゆいこ  (笑)。でも、そうかも知れないですよね。ちょっと憧れというか、そういう部分があるから作れるみたいなのはあるかも。うんうん! 

――新しくゆいこさんを知る方に、”ゆいこ世界”の入門盤としてお勧めする作品は? 

[046]ゆいこ  セカンド・アルバムの『Rotate』が、一番自分でも納得のいったアルバムですね。自分の持っている、いろいろなものを詰め込めたかなぁという感じです。 

――僕は、このアルバムに入っている「心ノ約束」という曲が、すごく好きなんですよ。 

ゆいこ  ありがとうございます! この作品を出したときの、ベストな自分を出せているアルバムだと思います。集大成というわけではないですけど、この時点での最高というか…私のやりたいことが、形になった作品ですね。 

――では、2007年の冬コミでリリースされる最新作、『ぽぷり』についてお話をお聞きします。本作でも作曲はニゴロウさんですよね? 

[055]ゆいこ  はい。作曲担当のニゴロウさんとは、2年前に作ったファースト・アルバム『ないしょのおとばこ。』を作る時に知り合ったんです。関西の方なのでネットで知り合ったんですけど。相性が良かったというか、とてもやり易かったんですよ。制作自体がすごく楽しかったので、今後もずっとやっていきたいと思っています。一度、ユニットを作ろうか? という案もあったんです。でも結局、それはなくなってしまったんですけど。 

――このタイトルの由来は? 

ゆいこ  ゆいことニゴロウさんで音楽を作る時に、何が一番押し出したい部分か? というのを考えたんです。そしていろいろな単語を出していって、最終的に残ったのが”ポップでプリティ”で。ポップでプリティなビートで、ポップリビート。そこから”ポップリ”になって、『ぽぷり』ってどうかなぁ、と(笑)。 

――言葉遊びだったんですね(笑)。 

ゆいこ  そうです。お花のポプリも可愛らしいですし、「もちろん皆さんが幸せになれるように」というような意味も入っています。でも、語源はポップでプリティなんです(笑)。別に言わなくてもいいかなと思っていたんですけど、せっかくなので(笑)。 

――作品を作られる時のプロセスは、どのような感じなのですか? 

ゆいこ  『Rotate』も『ぽぷり』もそうなんですけど、アルバム自体のメイン・コンセプトだけを私が決めて、後は基本的に、作曲の方にお願いする感じですね。お仕事としてじゃなくて、一緒に作りたいという気持ちでやってるので、コンポーザーさんのやりたいことも入れていただかないと、一緒にやっている意味がないので。お互いの意見がぶつかっちゃった時は、どっちかが妥協するのではなく、一応解決するまで話し合いです(笑)。 

――それはいい関係ですね。そういう風にやりあえるのは、物作りの上で重要だと思います。 

ゆいこ  だから、大事なパートナーというか、大切な仲間の一人ですね。 

――曲のイメージもそうですが、ゆいこさんの作品の中でも、ニゴロウさんは重要な位置を占めている方だと思うんですよ。 

ゆいこ  そうですね。「ゆいことニゴロウだったら、ポップで明るめのかわいい曲」っていう先入観、イメージは大きいと思うんです。 

――『ぽぷり』のコンセプトは、やはり先ほどおっしゃっていたポップでプリティという部分ですか? 

ゆいこ  そうですね。 

――それ以外に詰め込まれた要素は? 

ゆいこ  『Rotate』とかは、コンポーザーさんの得意なジャンルで書いていただくという感じだったんですけど、基本的に私とニゴロウさんの関係は、常に挑戦をしていこうというものなんですよ。『ぽぷり』には、2人の得意なジャンルは得意なジャンルで詰め込んで、プラス、今までやったことないものを詰め込もうっていうのが、コンセプトですね。だから、すごく挑戦的なアルバムだと思います。 

――なるほど。バラエティ感が出た作品なんですね。今までの作品では、割とトータル的に楽しむ部分があったかと思うんですけど、楽曲それぞれに個性があるということですか? 

ゆいこ  はい、そうなっていれば、いいなぁ……と(笑)。 

――楽しみです! 先ほども少しお話に出ましたが、『パンダ祭り』も非常に楽しみですね。 

ゆいこ  はい。夏に出した『マジックチャンネル』とか、marble sky recordsの中のMORCAというユニットに私が参加したので、そういうものも含めた平成19年度の総括みたいな。一年の締めくくりに、みんなで盛り上がりましょう! みたいなイベントになると思います。 

――29日ですよね。「コミケ後に来い!」と。 

ゆいこ  はい! (笑)。地方にお住まいの方も、この機会にぜひ足を運んでほしいですね。 

――しかもclub asiaって、大きなハコを押さえましたよね。 

ゆいこ  そうなんですよ(笑)。結構ドキドキします。出演者も大人数で、しかも豪華なので、緊張しちゃいます。 

――楽しみにしています!  それにしても、元々歌い手を目指してなかったゆいこさんが、段々歌に対して意欲的になってくるというのは、ご自身でもかなり変わってきたという意識はあるのでは? 

ゆいこ  声優を諦めたときは、どんなに頑張っても、自分が声優をやっているビジョンが見えなくて。それで諦めることができたのですが、歌に関してだけは諦めが悪いというか(笑)。やりたいことが、まだまだたくさんあるんです。きっと、ずーっと諦められないと思うんですよ。今後も、別にメジャー・デビューしたいとか、ビッグになりたいとか、そういうのはあんまりなくて、歌い続けられればいいなぁ、って、思っていますね。 

――2008年のお話になると思うんですけれども、今後歌い手としてやってみたいことは? 

ゆいこ  声が割とかわいい系というか、あまりドスのきいた声ではないので、激しい曲って歌ったことないんですよ。なので、あえて激しいのを歌ってみたいなぁ……とか(笑)。でも今自分がやっているジャンルで、皆さんが一番「ゆいこっぽいな」と思ってくださっているのは、ポップ・ロックとか、ガールズ・ロックとか、そういう方向だと思うので、そういうのも続けていきますし。もっと、引き出しを増やしていきたいですね。聴くのは大好きなんですよ、激しいのとかも。昔から、浅倉大介さんの音楽が大好きで、TMレボリューションの西川貴教さんのボーカルに男気を感じていて。私の憧れなんですよ! 高校の頃からハマっていて、ライブにも通っていたんです。西川さんのライブって、見た目以上に激しいんですよ! そのライブを見てきて、カッコいいとか好きっていうのを飛び越えて、尊敬とか羨ましいとか、逆に悔しいとか思うようになったんです。西川さんは男ですけど、目標の一人で。ああいう太い声というか、憧れるんですよね。歌っている姿ががむしゃらで、すごい楽しそうなんですよ。私もそうなりたいなぁと思っているので。 

――そのようなテイストが今後出てくるかも知れないというのは、非常に興味深いですね。 

ゆいこ (笑)。最近は新しいコンポーザーさんと知り合う機会も多くて。こないだの10月に、MintJamのa2cさんと一緒にやった曲とか、すごく斬新で楽しかったんですよ。今までやった事のなかった人とやってみるのも、楽しいなと思い始めています。来年の活動にも、期待してくださいね! 

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